リモート同軸切替器の制作
435M用
2022年(令和4年) 2月 20日
430M帯で2本目のアンテナを予定しています。
1本目は無指向性のディスコーンアンテナで2本目は指向性のあるループアンテナ
(7〜8エレ)です。
ローテ―タの自作もほぼ終え、アンテナ切り替えが課題になっていました。
シャックのある手元で切り替える方法もありますが、ローテ―タと連動させる事にして
リモート式で内蔵リレーで切り替える同軸切替器を製作しました。
若干の試行錯誤でなんとか形なりました。
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完成イメージです。 雨風のある場所に設置予定なので 塩ビケース内に本体を収めます。 同軸と電源線下の3箇所から出します。 左からアンテナ1、アンテナ2、送受信機 です。 注:この写真は本体にリレーの接点の覗き窓を開ける前の物です。 |
ケースは真鋳版の1.0ミリ厚で 蓋は0.3ミリ厚です。 送信機からの入力は一番右側で、真ん中がA接点のアンテナ、一番左側はB接点でアンテナ行きです。 真ん中の丸穴は接点の覗き窓です。 |
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本体内部の様子です。 4隅は半田付けで組み立てました。 リレー本体も銅板で囲ってみました。 供給電源は9Vですが、リレーは6Vなので抵抗(22Ω)で電圧を落とします。 リレーは130mAで動作させます。 |
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リレー部分を取り出したところです。 リレーは2回路2接点。 オムロン製でコイルは40Ω、6V用です。 (最低動作電流は103mA、最大は150mA) 手前に板バネを半田付けして固定してます。 |
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リレーを覆う銅板ケースを外した様子です。 可動接点部分はプラケースに丸穴を開けて網線(1.5D-2Vの外網)で直に引き出しました。 接点は2つをパラに繋いでいます。 |
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Nano VNAによるSWRの測定です。 まず、同軸切替器は入れずにM型コネクタでバイパスして自作ダミーロードを繋いだ時の435MHz時のSWRです。 1.87と良くありません。 (黄色がSWR) Nano VNAへ直にダミロードを繋い場合はほぼ1.00なので、途中のケーブルか自作ダミーが良くないのでしょうか。 |
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途中に同軸切替器のA接点側を入れた所です。 SWRは1.18と俄然、良くなりました。 おかしなものです。 しかも、430M帯でSWRのカーブが落ちていますが、これはまぐれです。 |
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次に同軸切替器のB接点側を入れた所です。 リレーON状態です。 SWRは1.33となりました。 |
周波数 | 切替器 なし |
切替器を挿入 (遮へい板なし) |
切替器を挿入 (遮へい板あり) |
記 事 |
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144M | 1.2 | 1.05 | 1.2 | 影響は少ない |
430M-LOW | 1.05 | 1.8 | 1.3 | 悪化しそうだった |
430-Hight | 1.5 | 1.4 | 1.3 | 切替器により改善された? |
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追加した、遮へい板の様子です。 左側は念のため両面にビニールテープを貼ってあります。 |
Nano VNAによるSWRです。 A接点側にダミーロードを繋いでいます。 1.15とダミーロードらしく改善されてます。 |
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同様にB接点側です。 こちらは、1.36です。 AとB接点で差異が出るのが良く分かりません。 リレー構造の影響でしょうか。 |
後書き
材料は真鍮板の端材で作ったので小さなマッチ箱のようになりました。
今回はリレー回路が強電界に晒される構造ですので、ちょっと不安です。
出来ればリレー接点とリレーコイルは離す構造の方がベターでしょう。
アンテナ経路への実装実験で、遮へい板によってSWRが変化しました。
キャパシタンスによる影響でしょうか、まるでアンテナカップラのようでした。
気になる点がありました。
実装実験中に、切替器でダミーロード側に切り替えているのにかかわらず
外の交信が受信出来てしまったのです。 それも、かなり強力に受信されます。
430Mで信号が58だったのが54で聞こます。 Sが4つしか下がません。
A接点とB接点との遮へいが不十分なのでしょうか?
もしかしたら、ビームアンテナを繋いでも指向性がおかしくなるかも知れません。
(ビームの後ろ側や横からも普通に受信される?)
今後、どうなるかです。
一応、性能が分ったので、それを踏まえて使ってみようと思います。
その後日、奇妙な現象に遭遇しました。
実装実験の接続で、ダミーロードを外したまま430MのLOWバンドのSWRを
測定したら今まで、1.2だったのが1.7に悪化しました。
どうやら、ダミーロー側ドが引きずってるようです。
これは、2つのアンテナを繋いだ場合、お互いがSWRに影響すると言う事です。
アンテナを完全に切り替えるとは言い難い現象です。
市販の切り替え回路では使用しないアンテナ側をグランドに落としてるようです。
そのような工夫が必要なのかもしれません。
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2022.4.20 追記
どうやら、SWR測定のやり方が適正でなかったようです。
Nano VNA に5mものケーブル接続では正しい測定にならないようです。
ケーブルは例えば60cmでキャリブレーションを行ってa,b接点ごとにダミロードを2個つなぐと良いかも知れません。
4月20日時点で実運用してますが良好に動作して2つのアンテナのSWRもリグ近くでメータ式で測定して1.2〜1.5以内に収まってます。
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